nagato湯本温泉 長瑞庵

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渋滞を減らしたい

NEXCO西日本のサイトによれば、高速道路における渋滞の原因は以下の3つがおよそ9割を占めるという(https://www.w-nexco.co.jp/forecast/trafficjam_comment/index2.html)。

  • 上り坂およびサグ(下り坂から上り坂に転じる部分)部ー約58%
  • トンネルの入り口ー約20%
  • IC合流部ー約14%

一般道については、交差点や路上駐車などが原因とされている。その他、事故や工事に伴う車線規制も挙げられるが、これは一時的なものである。

関西に長く住むと、いつもここ渋滞してんな…というところがいくつかある。そのうちの一つに、中国道宝塚(西/東)トンネルがあった。平成30年に新名神高速道路の川西IC-神戸JCT間が開通したことで、渋滞は発生するものの発生回数を抑えることができるようになった。渋滞の解消には、看板の設置や早めの利用を促すといった周知も重要だが、抜本的に改善するためには道路を作ることがいいということを実感する事例である。

さて、来年には東京五輪パラリンピックが開催される。渋滞というのは大会を成功させるためにも対策を講じる必要がある問題の一つだ。現在開催中のラグビーW杯でも、試合に影響はないものの選手の乗車するバスが渋滞に巻き込まれる事態が発生した。サッカーの試合でも似たような事案が発生した過去があり、渋滞問題を考えないわけにはいかないようだ。

今年の6月下旬に行われたG20では阪神高速が一部閉鎖されるなど、大規模な交通規制が敷かれた。交通規制に伴う弊害が発生したのも事実であるが、交通量がかなり減少したというのは紛れもない事実である。また、思ったより空いていたという声もあり、目立った渋滞も発生しなかったと時事通信社は報じている(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019063000380&g=soc)。やればできるのだが、府民や企業の協力なしには達成できなかっただろう。また、大阪程度の人口・経済規模であるから達成できたかもしれない。

東京の場合はどうだろうか。首都機能があることから人口も交通量も多い。7月下旬には社会実験が行われ、首都高速道路の入り口の一部が閉鎖されたほか、一部の道路は青信号の時間が短く調整され、都心へ流入する交通量を抑制する狙いがあった。もちろん事前の周知はあったが、各地で渋滞が発生した様子である。大会組織委員会などは、都心の混雑は一定程度抑えられたとして、成果を強調しているが、青信号の時間を短くすることは渋滞を発生させる直接的な原因として容易に想像でき、結果的に渋滞も増加している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191008/k10012117601000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001)。詳細や対策については記事を参照してほしいが、渋滞が増加したという分析結果について、大会組織委員会は直ちに検討することはないという事実だけは揺るがないらしい。

渋滞の問題だけでなく、ネット通販の自粛など市民生活を犠牲にしている、ボランティアが搾取/ブラックだ、暑さ対策が虚構新聞のようなものだ、など様々な意見があり大会が成功するビジョンが見えない東京五輪パラリンピックである。築地市場移転問題で大会期間中も環状2号線は暫定開通状態であることも忘れてはならない。大会期間がG20と違い長期にわたるため、少しの期間我慢すればいいG20とは異なり、より地域住民や企業の協力が不可欠となる。現時点では都心の道路が新規に開通・拡幅されるわけでもないため、渋滞の劇的な減少は見込めないだろう(外環道は来年度ともいわれていたがNEXCO東日本HP上は未定、大和トンネル拡幅工事など都外ではある)。

開催までの時間的猶予がない中で、交通量を抑制し、選手を遅滞なく輸送し、快適な市民生活が送れるようにするにはどうすればよいのだろうか。一筋縄ではいかないことだけはわかる。